世の中に固定を恐るべきものは、教育家が第一であると致さねばなりません。一歩停まれば、被教育者から殺されるものとの覚悟がいります。だから、常に足を止めることが出来ないのです。
『短歌様式の発生に絡んだある疑念』折口信夫
今の世の学者が、あらゆる現象を、単純から複雑に展開してゆくものときめてかかる考え方は、多くの場合まちがった結論に安住することになっている。文学の場合もそうであった。
『叙景詩の発生』折口信夫
天才の飛躍性は、後世の芸論に合う合わぬよりは、まず先代から当代に亘って、社会の行くてに仄めく暗示を掴むことであり、或は又新らしい暗示を世の中に問題として残す力を言うのである。
『夢と文芸』柳田國男
夢の統一は国民としては大きな事業であったが、其代りにはどこへ行っても通用しそうな種ばかりを選む故に、話の単調に陥るのを防ぐことが出来ない。
『木綿以前の事』柳田國男
この話題はそれ自身がいかにも昔風だ。平凡に話そうとすれば幾らでも平凡に話される題目である。聴かぬ前から欠伸をしてもいいお話である。
勿論自分自分の幸福は、考えまいとしてもいつの間にか考えている。ただしそれは学問ではない。古人も繰返して説いたごとく、学問は必ず人の道でなくてはならぬ。万人の歩んで行く道でなくてはならぬ。
勿論自分自分の幸福は、考えまいとしてもいつの間にか考えている。ただしそれは学問ではない。古人も繰返して説いたごとく、学問は必ず人の道でなくてはならぬ。万人の歩んで行く道でなくてはならぬ。